2.特殊環境(低圧・低酸素)による高山病(高地性肺水腫)の研究

長野県松本市日本アルプスの麓にあり登山のメッカでもあります。当時都会のサラリーマンが夜行で来て、そのまま2500m以上に登山し、高山病罹患して下山途中沢に落ちて、山岳救助隊にてフェリコプターで信州大学病院に搬送されるケースが多く見られました。全ての症例は肺水腫及び脳浮腫を起こしていました。そのメカニズムの研究は信州大学第1内科の呼吸器グループではじまつたのです。そのチームリーダーは小林俊夫先生であり医師としても研究チームの監督としても天才的でした。あっという間に研究が内外で有名となり、必ず主任教授になると思ってましたが、国立大の不思議な点、小林先生は足を引っ張られ循環器の先生が主任教授になってしまいました。その後は小林先生のお弟子さんである久保、花岡、藤本、芝本先生など多数の教授を輩出した小林先生の功績は多大です。当時の研究で際立っていたのは、信州大学繊維学部よりもらい受けた羊を、1に前述した低圧・低酸素チエンバーに入れ異常環境における肺循環動体の実験を起こないましたが、肺高血圧症、ARDS(急性肺循環障害)のリンパの流れが重要であることが解明され、お薬の開発等、沢山の患者さんを救っています。懐かしのは実験が終わり成仏の気持ちを込めてのジンギスカン料理の味は今でも忘れられません。

 

参考資料:呼吸器疾患ガイドライン 総合医学社(平成16年12月発刊)

     編集:松岡 健

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